加速するアダルトVRエクスペリエンス(前編)

ここ最近、「VR」という言葉を日常的に目にするようになりました。
VR18も開設から2年目を迎え、その間体験してきたアダルトVRコンテンツの進化を踏まえて、VR元年の「今現在」なアダルトVRの分類と、今後どのように発展するのかを想像してみたいと思います。

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VR元年と呼ばれた2016年は、OculusRift製品版であるCV1のある意味衝撃的な価格発表から始まりました。本体価格599ドル(日本での送料税込み価格93,000円)と若干「高嶺の花」になってしまった感はありますが、そのクオリティとエクスペリエンスからすれば十分個人の趣味の範疇で「買う価値のある」デバイスであることに間違いありません。

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(C)Oculus

Oculus社は既にSumsungとの協業により、低価格スマートVRデバイスである「GearVR」をRiftに先駆けて市場にリリースしており、Galaxy S6/S6edgeのパフォーマンスと解像度を生かして十分なVR体験を味わうことが可能です。

他にも、ゲーム配信プラットフォームであるSteam陣営によるSteamVRことHTC Vive、PlayStation陣営によるPSVR、オープンソース路線を貫くOSVRなど、今年リリースされる予定のVRシステムを並べてみても、VR元年らしくVRの下地は整ってきているといってもよい状況となりました。

デバイスとプレイ環境が充実しつつあるVRにおいて、現在のアダルトVRコンテンツとはどのようなものがあるのでしょうか。

■VR×アダルトとそのカテゴライズ

まずは、現状のアダルトVRコンテンツ/サービスの種類を、その特長ごとに分類し以下のようにカテゴライズしてみました。

・VRアダルトビデオ
・VRライブチャット
・VRアダルトゲーム
・VRメタバース

それぞれについて、VR的にどのような特長を持っているのか確認してみたいと思います。

■VRアダルトビデオ(実写VRAV)

VRAVは180度または360度カメラで撮影されたプレイシーンを、HMDを通して再生することでその空間内で追体験をすることが可能なアダルトビデオで、現在のところ特に海外で主流となっているサービスがこちらです。
中でも2013年にサイトをオープンしたVirtualRealPornは草分け的存在で、独自にカメラリグを開発して撮影を行うなどVR動画撮影のノウハウを開拓してきた存在でもあります。

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(C)VirtualRealPorn

180/360カメラによって撮影された実写映像をHMDを通して動画を見たときの没入感・存在感は、通常の2D/3D動画とはまったく異なる経験です。アダルトコンテンツにおいては実写動画(AV)が中心的な存在であり、今後はVRというだけではなく、より細かくカテゴライズされたVRAVが登場するものと思われます。

日本ではDMM社がいち早くDMM.VR動画R18βとしてVR動画に参入し多くのVRファンを沸かせました。既存のアダルトビデオでも主観モノは一定のファンが存在しており、その延長線上でVRに対応したコンテンツの登場が期待されていましたが、このたびAdult festa TVから主観モノのVRAVのサンプル配信が開始され本格的な配信に向けて期待が高まっています。

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(C)AdultFestaTV

180/360カメラによるVR動画だけではなく、動画の展開にあわせて電動オナホールを制御するなど、アダルトデバイスを組み合わせたVRAVも既に登場しています。

■VRライブチャット(実写VR配信)

画面の向こうの女の子と1:1や、1:多でコミュニケーションするライブチャットサービスのVR版です。
日本でもDXLIVEDMMライブチャットFC2ライブなど数多くのライブチャットサービスがありますが、これまで画面やカメラの存在を意識せざるを得なかったパフォーマーとのコミュニケーションが、VR化することでより距離感の近くなったコミュニケーションが楽しめます。

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(C)VRTube

「ユーザ側がHMDを着用する」という特性から、マイクを通じた会話が中心となるため、パーティチャットのような1:多のパフォーマンスよりも1:1の2ショットルームに向いているかもしれません。海外では既にVR Tube Liveでサービスが開始されており、決まった時間にサービスに接続することでEla Darlingちゃんとの会話を楽しむことができます。
日本でのサービスについても、前述のVRAVの普及によってVR視聴が可能なユーザが増えれば今後発展が見込めるのではないでしょうか。

■3D-VRアダルトゲーム(VRエロゲ)

3Dモデリングによって空間ごと仮想世界に没入し、自分の選択によってインタラクティブにキャラが反応する。まさにVRアダルトコンテンツの本命です。この分野では日本が大きく先行しています。

KISS社から2014年に発売された「カスタムメイド3D」、2015年に発売された「カスタムメイド3D2」は、ゲームとしての完成度はもちろん、VR体験としてのモデル・シーン・インタラクションを含め非常に高い完成度で市場投入されておりOculus Rift DK2の中でも注目を集めるキラーコンテンツとなっています。

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(C)KISS/CustomMaid3D2

また、PG Proctionによる実在のAV女優を3Dスキャニングし作成されたハイクオリティモデルによる仮想AV撮影・鑑賞コンテンツPG Girlsも注目を集めており、発表されている女優のシリーズ展開が期待されています。

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(C)PG Production/PGGIRLS

UnityやUnrealEngineによる3Dゲームエンジンの無料化や周辺のアセットの充実により、個人でも開発することができることや、ニコニコ動画でのPV作成で定番となっているモデリング・アニメーション規格であるMMDとの親和性が高いことから、今後は個人開発者や同人サークルを中心としてVRコンテンツマーケットが立ち上がっていくものと思われます。
現在はPCが中心ですが、今後GearVRのようなスマホを活用したライトVR環境をサポートすることでより多くのユーザにアプローチでき、ユーザ層の拡大につながるものと思われます。

■3DアダルトVRワールド(アダルトVRメタバース)

アダルト版SecondLifeのVR版です。
SecondLifeと同様に、3D世界の中でプレイを含めた人間同士のコミュニケーションが行えるサービスで、chat house 3dや3dx chatなどは、OculusRift DK1の頃からいち早くVRに対応していました。

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(C)Chat house 3d Roulette

特にアメリカでは、セクシャルマイノリティ同士のコミュニケーションツールという側面もあるようで、アバターカスタマイズにかなり特殊な方向性まで選択可能になっています。

■コンテンツプラットフォームの登場

いろいろな形で発展を遂げているアダルトVRコンテンツを見てきましたが、現在のところPCで体験するコンテンツが主流となっています。VRにとって、HMDそのものの値段もさることながら、PCへの要求スペックも高い状況ではありますが、新たなVR需要によって供給が導かれ、比較的早いペースでの低価格化が進んでいくものと思われます。

より一層のVR普及が今後見込まれる中、現時点ではOculus公式の配信プラットフォームであるOculus ConnectやGoogle Play、App Storeでのアダルトコンテンツの販売は行うことができません。
では今後、どのようにしてアダルトVRコンテンツが流通するのでしょうか。

次回の更新では、先進的なアダルトVRを追及するアダルトVRの会さんの紹介や、VRコンテンツの配信のあり方についてImagineVRさん・DLSiteVRさんの取り組みを紹介しつつVR元年以降のアダルトVRを想像してみたいと思います。

(2016/1/25 VR18大橋イナギ)

参考リンク:
Adult Festa TV:Adult Festa TV公式サイト
DMM: DMM.comバーチャルリアリティR18
VirtualRealPorn:公式サイト
NaughtyAmerica VR:公式サイト
Badoink : 公式サイト
VRTubeLive:公式サイト
カスタムメイド3D2:公式サイト
PLAY GIR+S: 公式サイト
Chat house 3d : 公式サイト
3DX Chat http : 公式サイト
Redlight Center : 公式サイト

※本記事に掲載の画像・ロゴ・シーン写真は各メーカー様の著作物を引用しています。

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大橋イナギ

ソフトウェアエンジニアリング業界で長年SEを務める傍ら、アダルトVRに傾倒。主に海外でのVRコンテンツを中心に情報収集を行っている。
同人音楽方面でも活動中。
アダルトVRの会会員 / AdultFestaTV月額会員 / AVVR月額会員 / BadoinkVR月額会員 / VRCosplayX月額会員